[子育て]

11話〜20話   東北女子短期大学 教授 島内 智秋



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[その11]

●「いないいないばー」

 子どもが8ヵ月の頃。友人の家へ遊びに行ったところ“うわーん”と大泣き! 何か怖いものでも見るようにして叫び、「これが人見知りかー」と思ったものです。
 8ヵ月不安といわれる人見知りは、その名の通り8ヵ月がピーク。いつも見ている愛着がついた家族(特に母親)と、それ以外の人との区別ができてくることから起こります。
 このように、自分にとって大切な人が分かってくるという事は、子どもが成長している証です。人見知りをしない子もいますが、する子の場合は、お母さんが 気まずい思いをしたくないために出かけるのも億劫になりがちです。長時間いると、慣れたり、時期が来ればおさまるので時を待ちましょう。
 また、この頃は“いないいないばー”を喜びます。大好きな人が見えなくなるスリルと出てきた時の驚きがいいようです。ただし待つのは2秒が限界。“いな いいない”が2秒以上にならないようにタイミングに気をつけながら“ばあー”と、お子さんを喜ばせてあげてくださいね。




[その12]

●美しい日本語を

 朝起きてきた子どもに最初にかける言葉はなんでしょうか?
そうです、「おはようございます」ですが、実際には「なにやってるの。早くしないと間に合わないよ」などという次の行動指示言葉になってはいないでしょうか。
 なんにでもスピードが求められる時代ではありますが、日常の挨拶は生活に潤いとメリハリをつけてくれる大事なエッセンスです。そのほか、「ありがとうございます」「すみませんでした」「おかげさまでした」等も人との関係をスムーズにしてくれる心和む言葉です。
 若者言葉が横行して「っつーか〜」「あけおめことよろ(あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い致しますの略)」などを耳にすると子ども は面白がって使いますが、これでは世界で一番美しい言語といわれる日本語を母国語にもつ良さも失われてしまいます。言葉の環境としての家庭を子どもは選べ ません。挨拶や正しい日本語を親がすすんで見本を示していくことが子育てでは大切なことです。



[その13]

●娘のプレッシャー

 娘の卒園式前日の朝。朝食を作っていたところ、起きてきたのは顔面蒼白な娘。嘔吐を繰り返す症状から、また急性胃腸炎かな、と思った予想が的中して、即入院となってしまった。
 どうやら原因は、卒園式で何でも一番初めにやったり、代表で言葉を話す役になり、練習を繰り返す中で元々の完璧主義の性格も手伝って、緊張が高まったためにこうなったのではないかと思われた。
 家で1歳年下の弟と卒園式ごっこをして楽しむ姿を見ていただけに、普段は男勝りで元気いっぱいな娘の繊細な一面が意外だった。
そういえば私が兄弟のケンカを仲裁していると、娘も私の気持ちを察して涙ぐんだり、仕事で疲れて帰る私を見て、人一倍手伝いをしようとするのも娘でした。
 今まで頑張り屋の娘を頼もしく思い、励ましや褒める言葉ばかりが多すぎてやしなかったかと反省しきりの母でした。
入院中の娘の甘えん坊ぶりがいとおしく、それを全身で受け止める私も嬉しく、親娘が和みながら過ごしたのでした。



[その14]

●子どもの朝起きは?

 朝の光…小鳥もさえずり…ぐ〜っと背伸びをする、そんな朝であれば目覚めも爽やか!
 ところが子どもを起こす時はどうでしょう。「起きてー!」と大声で布団をひっぱがし、カーテンをバッと開けているのでは?
 子どもは、いきなりの事に驚き、朝起きが悪くなるのも当然。睡眠には深い眠りと浅い眠りが一晩の中で交互にくるサイクルがあります。浅い眠りの時は覚醒 時に近く、起こすタイミングにちょうどいい。厳密には眠りのサイクルの5セット目の終わり(90分サイクル)に起こすといいのだが、合わないこともある ので、起こす時、初めに軽く起こして、浅い眠りの状態にしてからカーテンを開け、本格的に起こしていくといいようです。
 いずれにしても早寝早起きは子どもの健康の基本なのできちんと習慣づけたいですね。
 ちなみに夕方コンビニにいくと、その明るさのため体内時計が昼と勘違いし、眠りに付くのが1、2時間遅くなるらしいので気をつけたいですね。



[その15]

●パパへの褒め言葉

 幼稚園で3歳児の担任をしていた時のこと。
 「先生みてみてー!」という大声に駆け寄って行ったものの何を見て欲しいのか、すぐにはわかりませんでした。
 よく見ると、両手を広げ、片足を少し浮かせてバランスよく立っているのです。
 慌てて「す、すごいねー!」と褒めると、満足気な顔。褒められたい欲求は誰にでもあり、お母さんだってそうですよね。子育てや家事はやって当たり前、やらないと何か言われるのでは、気持ちが滅入り、お父さんに「もっと子育てを手伝って」と嫌味の一つも言いたくなります。
 そんなとき、「パパが抱っこすると、泣き止むのよねー(違っていても)」とか、「やっぱりお風呂に入れるのは、パパにかなわないわねー」とたくさん褒めてみてはいかがでしょうか。
 仕事で疲れているパパも「しょうがないなー」と言いながらもお風呂を楽しみにしたり、それに合わせて急いで帰ってくるかもしれません。
 ちょっとした褒め言葉で生活が明るくなりますネ。



[その16]

●お風呂であったかい会話を!

 子どもとお風呂に入りながらの会話がこのごろ楽しい。
 今までは帰宅時間が遅いため、既に姑とお風呂を済ませていたり、一緒に入っても就寝時間を気にして、ゆっくりできなかった。
 また、子どもが小さい時には、3人を入れる大変さばかりに気持ちがいき、億劫に思うこともあった。
 だんだん手もかからなくなってきて、このごろは一日の出来事や発見したこと、思ったことを聞く余裕もでてきた。
 一人ひとりの話しぶりから、「ずいぶん難しい言葉も分かって使うようになっているんだな〜」「こんなふうに感じているんだな〜」とか、新鮮な発見も多い。
 特に叱った後のお風呂は、お互いが素直に話せるいい機会になっていると思う。
 昔から日本には、銭湯に入りながらコミュニケーションをとる「裸の付き合い」と言われる関係がある。
 シャワーで済ませる家庭も増えているらしいが、子どもと一緒に心も裸にして自然な形でコミュニケーションをとる大切な場として、お風呂を見直したいものですネ。



[その17]

●赤ちゃん返り@

 上の子が6歳になる年に真ん中の子が生まれた。
 お腹の中にいた時には、大きくなるお腹に耳をあてたり触ったりして楽しみにしていたので、いいお兄ちゃんになりそうだと期待していた。
 ところが…。
 生まれた赤ちゃんを連れて帰ってから上の子が泣き易くなり、赤ちゃんの真似をし、甘えが激しくなり慌てたことがあった。
 これが「赤ちゃん返り」といわれるものなのか、と思った。
 6年間も、周囲の大人の愛情を独り占めにしていた一人っ子の状態から急変して、手の掛けられ方も半分、またそれ以下になってしまったので不安になり、愛情を確かめる行動をしたのだろう。
 『舌切り雀』のおばあさんが、夫婦仲良く暮らしていたところに雀のチュン子が登場し、おじいさんがチュン子ばかりを可愛がっているのを見て、やきもちから舌を切ってしまったのに似ている。
 舌を切るまではいかないが、上の子の気持ちは複雑なはず。
 可愛がり、愛されていることを実感できるようにしてあげたいものですネ。



[その18]

●赤ちゃん返りA

 お腹の中に赤ちゃんがいるということを話したとたんに赤ちゃん返りが始まる子もいる。
 というのも、お兄ちゃん(お姉ちゃん)になるんだからと、言い聞かせ、そのプレッシャーが原因だったり、安定期に入っていないことから今までよりも上の子の抱っこを控えたこと等があげられる。
 なによりも大好きなお母さんが抱っこしてくれなくなった原因がお腹の赤ちゃんとなれば、生まれる前から赤ちゃんに対して面白くない思いを抱く筈。
 お母さんは10か月の間に母親となる自覚を持っていくが、上の子と父親はそうした実感することなくその日を迎える。
 自然に上の子が赤ちゃんを受け入れられるようにお腹が少しずつ大きくなるのを見せながら、あなたの時もこうして生まれてくるのを楽しみにしていたこと や、赤ちゃんが生まれてもお母さんがあなたのことを一番大好きなのは変わらないから心配しないでねと10か月の間、そのことを言い続けてその日を迎える心 の準備をしてあげたい。



[その19]

●初めての子の心配事

 初めての子が生まれたとき、嬉しかったのと同時に驚いた。それは無事に生まれたものの、頭がいびつだったからである。正面から見るといかの頭のようで、横から見るとルチ将軍(プリンプリン物語の悪者)のように後頭部が膨らんでいた。
 頭の形が気になり、ドーナツ枕を使ってみたもののズレてどうもうまくいかない。頭の形がいびつだと、知能も遅れるのではないかと心配になり、産院の先生に相談した。
 それによると、生まれてからしばらくは母胎に居た時と同じ位置をとる癖が残り、片方ばかり下にして寝るが、起きている時間が長くなってくると自然に治る と言われてホッとした。いびつな頭を治す方法として、うつぶせ寝育児法もあるそうだが、4ヶ月までの赤ちゃんは長い時間上体を上げていられないため窒息の 危険性もあり、あまり勧められないとか。
 子どもの姿から色々なことを新鮮に学んだ親一年生でした。相談してよかった!!



[その20]

●暑い夏はオシメ外しに最適!〜挑戦編〜

 夏には着脱しやすいし、洗濯も良く乾くので親にとってはオシメ外しに絶好のチャンス。息子の好きなトーマスのトレーニングパンツを用意し、ちらちら見せ、はいた時には褒めまくり、ようやくはくようになった。
 もこもこしていたお尻がスッキリして、なんだかいっちょまえだ。ちょうどその頃、いいタイミングで実家からスワンのオマルのプレゼント。蝶ネクタイを押すと、「わ〜おりこうさん。えらいわね〜」とお話して褒めてくれる優れ物だ。
 何度も座って押して大喜びだったので、スムーズに成功するものと思っていた。ある夜のこと、オマルにおしっこ大成功し拍手の中、得意げな息子。ところ がオマルを押した瞬間、恐い声が聞こえ、息子は大泣き。電池切れのため、声が伸びて恐く聞こえたのだ。この後オマルを恐がり、オシメに戻ってしまった。
 本格的に取り組んだのは3歳の夏。排尿間隔が決まってくるので、それを見計らって言葉をかけていくといいですよ。

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