[子育て]

21話〜30話      柴田学園大学短期大学部 学長 島内 智秋



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[その21]

●おしめ外しA〜親が気をつけること〜

 子どもがおしっこしたい時は、変な顔をしたり、お母さんのスカートを引っ張ったりするので、言葉が話せなくても表情や動作でわかるものです。
 オシメ外しは、おしっこが出て気持ちが悪いという感触が分かるようになってからがスタートです。大切なのはその時です。早くはずそうと焦るお母さんは、 「またもらしたのねー。なんでもっと早く教えないの!」と叱ってしまいがち。このおもらしに関しては叱ることは禁物。叱られるとまたもらすかと不安になり 頻尿になって逆効果。もらしたことはさておき「よく教えたね」とまずは褒めましょう。そして次には「おしっこの時は教えてね」と次の方向付けをしてあげま しょう。この繰り返しで一回でも成功したらめちゃくちゃ褒めます。家族全員で思いっきり褒めましょう!!その一回が大きい自信になり、また教えようという 気持ちになり、次に成功するきっかけになります。ゆっくりゆっくり焦らず気長にいきましょう。



[その22]

●あせもをつくらないために…

 長男が、あせもやおむつかぶれで汗をかいたりおしっこする度に泣いていた夏を思い出します。ジンジンしみて、ヒリヒリして嫌だったのでしょう。初めての子の時には親にも初体験で、気付けなくて戸惑うことも多く、反省することばかりです。
 一般的に子どもは新陳代謝が活発で発熱量が多く、それを放散し体温調節するため発汗量が多いのです。
 そこで、沐浴やシャワーで汗を流したり、それができない時はお湯で拭いてあげましょう。乾いたタオルで拭くだけでは汗が拭き取れないことも多いので、そのままにしておくと皮膚が不潔になり、あせもがよくできるようになってしまいます。
 また、暑いからといってランニングなど肌の出るものにするよりも、半そでシャツなどのように汗の吸うものの方が、あせもの出方が少ないようです。
 その他、部屋の風通しを良くしたり、寝るときにうちわであおいであげるなどして、子どもが涼しく快適に暮らすための工夫もしてあげたいですね。



[その23]

●母乳について(1)
 
 おぎゃ〜!と無事に産まれ、嬉しくて涙したのもつかの間。産まれてからの母は大忙し、体も出産という大仕事を終えたばかりでくたくた、その上、何もかもが初めてのことばかりで緊張と驚きのため母乳の出も悪くなります。
 母乳は栄養のバランスが良く、赤ちゃんに免疫力をつけるので、是非飲ませたいものです。ましてや乳房を通しての触れ合いが母子間の絆を強め、赤ちゃんへの愛おしさが増し、母親になったという実感がわいてきます。
 初めのうちは出が悪いのは当たり前。私も初めはにじむ程度でかなり落ち込みましたが、5日経った頃からお乳がほとばしり、赤ちゃんの顔にかかってしまう ほどでした。あきらめず「片方飲ませたらもう片方飲ませて、それでも足りなければミルクを作ってあげよう」と、楽な気持ちでいきましょう。
 疲れやすくなっているので、赤ちゃんがお昼に眠ったら一緒に横になったりして、休みを上手く取ることも、母乳の出をよくしてくれますよ。



[その24]

●母乳について(2)

 「母乳で育てると形悪くなっちゃうよ〜」と同じ日にママになった仲間から声をかけられた。母乳をいっぱい飲ませたいと必死になっていた私は、いろいろな考え方があるんだな〜と思ったものだ。
 私の経験では、初めて我が子にオッパイを吸われた時、なんともいいようのない感情が湧き上がってきた記憶がある。上手く言葉で表現できないが“生きる ための力強さ”や“なんて愛しいんだ”“母親になったんだ〜”といったことや、命がこうして受け継がれてきたことへの神秘や感謝の気持ちでいっぱいになり 涙が止まらなかった。
 赤ちゃんは生まれて約一時間以内のにおいを記憶する能力が高く、そのにおいをずっと覚えていて、“自分のお母さん”を認識するとか…。生まれたばかりの赤ちゃんはママのオッパイのにおいを学習しているのです。
 いろいろな考え方はあるとは思うが、母親自身の母性を呼び起こし、赤ちゃんに安心するにおいと感触を味わわせるためにも母乳を勧めたい。



[その25]

●母乳について(3)

 生まれたばかりの赤ちゃんは、おっぱいをさがして飲もうと必死。
 ただ、吸う力は強いが、ふくみ方がまだ下手で、飲みながら眠ってしまうことが多い。
 飲み残しがあると、次の授乳までの間は、おっぱいが張って痛い。そのままにしておくと乳腺炎になるおそれがあるので、マッサージをして搾り出したが、自分ですると加減してうまくいかない。
 そんな時は看護師さんや保健師さんにやってもらうといい(さすがプロです)。
 そのほか、一生懸命に母乳をあげていたら乳頭が傷ついたり、赤ちゃんに覆いかぶさるように授乳していて、肩こりや腰痛がひどくなってしまった時も相談した。そんな時は、赤ちゃんの頭の下にクッションを当て、乳房と赤ちゃんの口を同じ高さにするといいと教わりました。
 また、楽な抱き方や傷ついた乳頭に哺乳瓶のゴムをつけて吸わせるということ、乳輪までしっかりふくませることなど、有難いアドバイスをたくさんしてもらい、実際その違いに驚いたものでした。



[その26]

●「さあでかけましょう」

 秋は学園祭シーズン。本学でも10月16日(土)・17日(日)に学園祭が行われます。
 こうした催し物は大人が楽しめることに重点がおかれがちで、本当は楽しみたい子どもが飽きてしまい早めに切り上げることが多いように思います。
 その点、本学の学園祭は、被服科の着物・帯や洋服などは力作揃い。生活科では試食たっぷりの食と健康についての展示。
 栄専校名物「幻のラーメン」は、市内にもファンがいて行列ができるほど…。
 経理校では、学校生活の楽しさを伝え、保育科では子どもたちが1日いっぱい居たくなるような「仲よしパーク」が楽しい。ジブリの世界にいるような喫茶では、おいしいメニューでくつろげます。
 子どもが飽きるのを心配して、出かけることに億劫になっているお母さん!泣いても、ぐずっても、保育士・幼稚園教諭の卵たちが、お子さんを楽しい幸せな気持ちにしてあげますよ。
 どうぞ遊びにおいでください。お待ちしています。



[その27]

●「子どもの鼻づまりには…」

 おばあちゃんの知恵袋といわれるものは沢山あり、私も時々試しています。そうした中から、これからの風邪対策に効きそうな知恵を二つ紹介します。
 子どもが風邪をひいた時の鼻づまりは、とても苦しそうでかわいそうなものです。市販の「はな吸い器」を使用してみても、吸う力の加減がわからず上手くいかなかったり、あまり拭いてあげすぎると鼻の下が真っ赤になって、ヒリヒリするのかぐずったりします。
 そんな時は、1.しょうが湯にタオルをつけてしぼり、鼻の穴をふさがないように鼻の根元において温める。さめたら取り替えることを繰り返すと、15分くらいで、鼻が通るようになる。
 また、乳児が鼻づまりでミルクが飲めない時には、2.長ネギの白根をはいで鼻の根に貼ると鼻が通る、などいろいろな方法があるようです。
 子どもが嫌がらず、自然の物を使った方が体に優しくて良いように思います。これからの寒い季節に役立てば幸いです。



[その28]

●「パパと子どものコミュニケーション」

 父親にとって子どもと過ごす時間は貴重です。「子どもとまっすぐに向き合いたい。父親の存在をしっかり感じてもらいたい。でも二人きりになると何を話せばいいのか…」と悩んでいるパパも多いはず。
 そんな人には、ずばり絵本がお勧めです。
 なにしろ子どもと家の中でくっつく空間はせいぜいお風呂。そう考えると、絵本は父と子が自然に密着できる絶好のコミュニケーション・ツールです。
 絵本を読むのは苦手だなあという人もいるでしょうが、要は下手でも「面白い!」と思ってもらえればいいのです。
 ストーリーを作り変えたり、怖い話や深刻な場面で、男性の低音ですごみをきかせて緊迫感を加えると、子どもはドキドキしながらその場面を心待ちにします。
 絵本は寝かせる道具のように考えられがちですが、面白かったら眠れなくなるはず。もう一回、もう一回とせがまれるのも父親の幸せですよね。
 月に一度は仕事帰りの一杯をぐっとこらえ、絵本を買って早く家に帰ってみませんか。



[その29]

●「もうすぐ小学生!?」

 就学前検診前日から次男が傍で見ていておかしいくらい張り切っていた。
 1歳上のお姉ちゃんからひらがなドリルを譲り受け、鉛筆で字を丁寧に書いているさまは、ムシキングごっこでカブトムシになりきっているのとは別人のようだ。
 書き終わって、「先生に見てもらわなくっちゃ」と走った先はお姉ちゃんのもと。
 「んー。どれ…ちゃんと見せて。ここ、とってもいいです。元気なのでハナマルです」と小さな先生は赤ペンで大きなハナマルをあげていた。
 小学校に行っている先輩から丸をもらった次男は、ランドセルにそれを入れて背負い、部屋中歩き回ってなんとも嬉しそうだ。
 中1の兄も2年生になると二重とびをやるから今のうちに練習した方がいいと、縄跳びを教え始め「手、もっと速く回せ!!」と、なかなかのスパルタぶり。
 それまですぐに泣きべそをかき甘えていた末っ子が、日に日に逞しく変わっていくのを見て、二人の兄姉ぶりも頼もしく思えました。
 兄弟っていいものですね。



[その30]

●「わが子との距離感」

 小学校6年と中学校1年では1年しか歳が違わないのに、学校の様子や先生方とのかかわりも大きく変わり、心の動きも複雑になってきた。学校から進路希望調査や思春期についてのプリントも多く配布され、なんだか親も戸惑った。小学校時代から急変した印象だ。
 そのせいか入学してしばらくは気を張っていた長男も、慣れた頃からイライラして言葉も乱暴になった。小学校の延長のように「早く宿題やろうよ」と、口う るさく言っていたら「あーうるせーヤル気なぐなった」と反抗的だ。いつまでも子ども扱いしていたことを反省し言い方を変えて「何時から始める予定なの?」 というと、「1時間で出来るから8時には始める」と宣言し、時間を見て自分の部屋に行くようになった。
 少し心配ではあるけれど信じて任せたり、食事の時に何気なく話したりしているうちに少し落ち着いてきたようだ。
 その年齢にあった親との距離の保ち方があるようで、これからも子どもとともに探っていき、いい関係を作っていきたい。


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