[青森県内観光]
 
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あおもり海道の佳景−4

観瀾山公園(東津軽郡外ヶ浜町蟹田)

〇小説『津軽』のゆかりの高台

外ヶ浜町蟹田にある「観瀾山(かんらんざん)」には、青森市街から車で40分ほどで行けます。
その名に山がついてはいますが、海抜約40mの小高い丘です。
かつては「舘鼻山」「鷲尾山」などと呼ばれていたそうですが、大正12年(1923)7月26日、久邇宮邦久(くじのみやくにひさ)殿下が訪れ、その風光の美しさから「観瀾山」と命名されました。
ここは太宰治(1909〜1948年)の小説『津軽』に登場します。
花見の様子が描かれていて、桜花の下の芝生にあぐらをかいて酒宴を催し、蟹やシャコ、ヤリイカを食べたことが書かれています。
ここでいう蟹とは、おそらく名物のトゲクリガニと推察されます。
丘の先端に、その太宰の文学碑が建てられたのは昭和31年(1956)8月6日のことです。
刻まれた碑文は「かれは人を喜ばせるのが何よりも好きであった!」。
太宰の作品『正義と微笑』から本人が師と仰いだ井伏鱒二が選び、詩人で作家の佐藤春夫が筆を執りました。
碑の裏側には2、3人が座れるベンチが置かれていて、目の前には蟹田地区の家並み、フェリー埠頭、そして陸奥湾の海原が広がります。
そこに腰かけ、太宰とその作品に思いを馳せながら眺めるパノラマ景観はまた格別です。



観瀾山にある太宰治の文学碑


観瀾山からのパノラマ風景


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