[青森県内観光]
 
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遊歩写真旅!あおもり岬めぐり

下北半島─その11

○本州最涯地は厳しくも雄大な景観

 今回は東通村の尻屋崎(しりやざき)です。
下北半島の北東端にあり、津軽海峡と太平洋に突き出た岬で、下北半島国定公園の一画を成しています。
海成段丘が発達し、段丘面には芝生が広がり穏やかな景色を見せる一方で、海中には大小の奇岩怪岩、岩礁があり雄大かつ豪快な景観美を形成しています。
ここはかつて尻矢、志利屋という字が用いられアイヌ語で絶壁のある港という意味であったと言われています。
 昔からこの沖合は、船乗りからは“海の墓場”と恐れられるほどの海の難所であったことから、1876年(明治9年)、尻屋崎(しりやさき)灯台が設置されました。
英国人技師のブラントンの指導のもとで建設された白亜の灯台で、2重のレンガ壁による複層構造が大きな特徴。
1945年(昭和20年)には空襲で破壊されましたが、戦後間もなく再建されました。
高さ33mはレンガ灯台としては日本一、光度は53万カンデラ、光達距離は18.5海里(約34km)を誇ります。
今年の春から夏にかけて大規模な改修工事が行われ7月に完成。
白亜の輝きもいっそう眩しくなって生まれ変わりました。
11月中旬まで灯台の中は一般公開(参観寄付金・中学生以上200円)され、頂上部分のデッキまで登れるようになっています。
尻屋崎のもう一つの名物と言えば、寒立馬(かんだちめ)です。
吹雪の中でたくましく生きる様子は、いろいろな媒体に取り上げられ、今ではすっかり下北半島観光の目玉となっていますが、この馬、もともとは南部藩政時代の田名部馬を改良した農用馬でした。
一時は数が減って存続が危ぶまれましたが、その後の保護対策によって頭数も回復しました。
逞しい馬体をしていますが、性格はいたっておとなしく、間近で見ることも触ることもできます。
最後にこの尻屋崎での筆者のエピソードを一つ。
何度も通った中で一度だけ、カモシカを目撃したことがあります。
すっくと立って遠くをじっと見つめる姿はなんとも厳かでした。


改修工事で一新された尻屋崎灯台


化粧直しがされていっそう白亜がまぶしい


尻屋崎灯台は11月中旬まで一般開放されている


本州最涯地尻屋崎の碑と灯台


親子で草をはむ寒立馬


尻屋崎で目撃したカモシカ(2017年4月5日)


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