■その29 修復工事明けの旧弘前偕行社
老朽化に伴い2013年度から進められてきた国重要文化財「旧弘前偕行(かいこう)社」(弘前市御幸町8-10)の修復工事が完了し約7年ぶりに2020年春から一般公開されました。
旧弘前偕行社はルネサンス様式を基調とした洋館で、旧陸軍第8師団の将校の社交場などとして使われ、明治期に青森銀行記念館(弘前市、国重文)や斜陽館(五所川原市、同)など多くの洋風建築を手がけた堀江佐吉が1907(明治40)年に完成させた。全国に残る偕行社の会館の中でも、土地建物が一体的に残っている貴重な遺構で、戦後は弘前厚生学院の学舎などとして「みどり保育園」にて活用されてきました。
旧弘前偕行社は嘉仁親王(後の大正天皇)のご宿泊場所となり、昭和10年(1935 )には弘前に赴任された秩父宮殿下が訪れるなど陸軍の附属施設として使用されました。
またここは、NHK朝ドラで1966年4月より一年間に渡り放映され、弘前市も舞台となり女優の樫山文江さんが主演で人気となった「おはなはん」のロケ地としても使われ話題となりました。近年ではこの他、映画『津軽百年食堂』でもロケ地として使われました。
そしてここは、私の家の裏に隣接しており保育園時代、私自身も子供達も卒園した愛着のある建物です。
トイレが旧式で古く怖かったので時々、垣根を潜り抜け保育園を脱走して家に帰って来たものです(笑)。
完成と同時に早速訪れてみましたがコロナ禍ということでなかなかスムーズに公開できず一般の方々は知るよしもなく入館することは出来なかったかも知れません。
4月18日に何気なく散歩がてら行ったところ入館を許されて特別に写真を自由に撮ることが出来ました。風景写真とは違い、建物の撮影は不慣れではありましたが、この部屋はひよこでこっちはひばり、カナリヤ、ここはメジロ、ウグイスそしてここは講堂と現在とではお部屋の呼び方は違いますが幼少の頃を思い出しながら楽しい時間を過ごす事が出来ました。
修復された各部屋を通る度に、古き良き頃の想い出や懐かしい友や光景が浮かんできて時間を忘れてしまいました。
現在は、臨時休館の日もありますが、一般見学(ガイド無)も出来、午前9時?午後4時迄 見学料/300円(税込)、18歳以下と70歳以上の方(生年月日の記載があるものを提示)と障害者の方(障害者手帳を提示)が無料となっています。また、貸室(有料)もありイベントなども開催されておりますのでホームページ(http://www.h-kaikosha.jp/index.php)を参考にしていただければと思います。