[青森県内観光]

「恵雲と辻風の珍探訪」

 

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その9

■三十三番 普門院@(ふもんいん/弘前市)<1日目>  

○禅林街の小高い丘に建つ山の観音「山観」 

 大光寺を出たのが午後4時前。
もう一ヵ所行けるのではと辻風さんと話が合い、地元で通称「山観(やまかん)」と呼ばれ親しまれている弘前市の普門院に向かった。
普門院は最後の三十三番札所だけれど、久渡寺のご住職は順番通りでなくてもよいと言っていたし、行けるときに行ってしまおう!
 弘前城の堀沿いから南へ曲がり、さらに禅林街へ折れて行く。
約400年前、津軽藩2代藩主信枚(のぶひら)が、弘前城築城を機に領地内にあった社寺を城下に集めた。
城の南西、裏鬼門に当たるこの地には城の守りとして土塁が築かれ、33の禅宗(曹洞宗)の寺院を集めた「長勝寺構(ちょうしょうじがまえ)」(国指定史跡)が造成された。
曹洞宗(そうとうしゅう)寺院だけがこれだけまとまっている場所は全国的にも珍しいそうだ。
入り口の黒門をくぐると正面奥にある津軽家菩提寺(ぼだいじ)の長勝寺まで、道の両側に杉並木と寺院がずらり。
突き当たりの長勝寺手前を左にぐるりと回り込んだところに普門院はあった。
 参道に向かって右手の駐車スペースに車を止めると、「善光寺如来」と書かれた三尊像の石碑が目に留まった。
これまで、神仏混交というか、神社でのお参りが続いていたので、「観音様って仏様だよね」と再確認してしまう。
杉林の中の参道、幅広い階段を登ると、先ほどの禅林街より小高い丘にある普門院の境内に出た。
西国三十三霊場の観音像が境内をぐるりと囲んでいる。
新緑の木に可憐な白い花が揺れているのはサクランボの木だろうか。
境内右手には延命地蔵堂、鐘楼(しょうろう)、閻魔(えんま)堂、身代(みがわり)観世音堂と続く。
閻魔堂の前には小さな石仏が数体、紫の衣を着て置かれていた。
それぞれのお堂の中には大小さまざまな石像や木像が数多く収められている。
案内板には寺宝の円空仏(弘前市指定文化財)のことが書かれていた。ヒバ材に彫られた高さ175.3センチ。
寛文年間(1661〜72年)の作とみられる十一面観音で、身代観世音堂の中にあるのを1980年(昭和55年)に発見されたそうだ。
事前に申し込めば拝観できることを、この時は知らなかった。


                                          (恵雲)

観音山普門院(曹洞宗)
本尊 聖観世音菩薩
御詠歌:今までは親と頼みし笈ずるを 末茂森の御堂に納むる
〒036-8273 弘前市西茂森2丁目17-4










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