[青森県内観光]

「恵雲と辻風の珍探訪」

 

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その19

九番 見入山観音堂@(みいりさんかんのんどう/深浦町)<1日目>  

○ここだけ別世界、深浦の秘境・無人の札所はかつての修験道

十番札所の「円覚寺」の僧侶たちが修業を積んだ山として知られる「見入山観音堂」。
今まで数軒の札所を訪れ、その石段の多さには辟易していたが、よりすごいのが待ち受けていると聞いて、ここには行きたいような行きたくないような複雑な心境だった。
幸い御朱印は円覚寺で2つ分押してもらったので、巡礼したことにはなっている。
少し躊躇していたが、恵雲さんがカメラ片手に「どうする〜?」と微笑んでいるのを見て、やはり行こうと決意。
恵雲さんも上りは大の苦手らしいが、調子がついてきたらしい。
一人だったら決して行かないだろうが、相棒というのは心強いものだ。
深浦の円覚寺から、日本海沿岸を走る国道101号を北へ戻り、追良瀬川を超えてすぐ右方向へ折れると、山間部に田園が広がる。
自生の藤やピンクの谷うつぎの花が美しく、昔話に出てくるような里山の風景だ。
ギュルギュルと鳴くカエルの声が、田植えをしている赤いトラクターの作業音にコミカルな合いの手を添えている。
5kmほど奥へ入ると、急に道の左端に仏像群が現れた。
如意輪観音、千手観音、正観音、馬頭観音などがオンパレード。背後に30mはある夫婦杉が2本、風に揺れている。
ここを拝んで戻る方も多いはず。
けれど本物はもっと奥だ。参道入口の鳥居の脇に杖が数本置いてある。
ややっ、杖を使わねばならぬほど道は険しいのか。
しばらくなだらかな散策道だったが、50mも行くと急勾配の石段のらせんがドデンと現れた。
これが修験道か。以前と比べ大分道も整備されたと聞いてはいたが、いやどうしてなかなかすごい。
石段は幅も狭く蛇行していて、落ち葉が積もっていてすべる。
ところどころ石段が崩れ、そこに木の根が入り組んで、石段というよりも“木の根階段”になっていた。
うーむ、これは大変だ。二人とも、這いつくばってでも登らねばなるまいと、決意を新たに頂上を見上げた。

                                          (辻風)



見入山観音堂(真言宗)
本尊 如意輪観世音菩薩
御詠歌:深山路や檜原松原分け行けば 山も誓いも深き谷川
〒038-2413 西津軽郡深浦町追良瀬初瀬山草分28












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