[青森県内観光]

「恵雲と辻風の珍探訪」

 

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その29

■十八番 無縁山海満寺@(むえんざんかいまんじ/中泊町)<6日目>

○旧小泊村の海を一望できる高台の寺

 今日も丸一日覚悟で強行軍をスタート、市浦・小泊方面へ車を馳せる。
蟹田から県道12号・通称“やまなみライン”を通って、まずは小泊へ向かおう。
途中、水田にサギのような白い鳥を見かけた。
三十三観音めぐりには、なぜか小動物との出会いがつきものだ。
深浦では猿やキセキレイ、岩屋観音ではコウモリと引きも切らない。
観音様の化身なのか。国道339号線は意外にくねくね道で車酔い。
道の駅十三湖高原トーサムを過ぎたあたりから、野生のフジの花が咲き乱れる山道が続き、塩害で赤茶けた松の防風林をすぎると、急にパッと視界が開けた。
そこには白い巨大な風車が回り、正面にきれいなおにぎり型をした靄山(もややま)が現れた。
 道なりにしばらく行くと、コンビニのところに「海満寺左折1.7km」の看板を見つけ、ほっとする。
「直進250m」「次の交差点右折」と看板が親切なのがうれしい。
三十三観音は見つけづらいのが基本だからだ。海満寺は、銀行や呉服店、お菓子屋さんなどがある小泊の商店街の中にあった。
階段がせり上がっていて登っていくと本堂のようだが、右手の建物がどうも工事中らしい。
もしや?という予感が的中、工事中のお堂が観音堂だった。
大工さんに断って中に入れてもらいお参りする。
どうも御簾の向こうに本尊がありそうだが、布でくるまれていて見ることはできない。
海満寺は、弘前誓願寺の末寺で、1658年良無玄道師が、難破の犠牲者を弔うために建立したとされる。
ここの本尊は1704年の水難や大正と昭和の2度の大火に遭っているが、体の一部を損失してまでも何とか現存しているらしい。
見られないのが残念だった。
 観音堂を出て向かい側に津軽三十三観音の石仏がズラリとならんでいる。
そこを通って階段をさらに登ってみると小泊の漁港が見渡せるほどの高台に出る。
墓碑があるので文字を読むと、どうも先代の住職らのお墓のようだ。小泊の町を一望できる絶好のスポットで草花に囲まれて静かに眠っていらした。(辻風)

無縁山海満寺(浄土宗))
本尊 聖観世音菩薩
御詠歌:見渡せば御法も深き海萬寺 鐘の響に浮かぶ海女人
〒037-0522北津軽郡中泊町字小泊204-1
TEL 0173-64-2301











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