[青森県内観光]

「恵雲と辻風の珍探訪」

 

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その37

■七番 北浮田弘誓閣(きたうきたこうせいかく/鯵ヶ沢町)<7日目>

○万病に効く霊水が湧き出たという大銀杏

今日は3日目に尋ねられなかった鯵ヶ沢町の札所から巡る。
つがる市から国道101号を西へ向かい、日本海まで行かないが、カーナビを頼りに老人ホームを越えたあたりで左折。
「北浮田入り口」のバス停を道なりに進む。
集落の中に入って細い十字路を小高い山に向かって左に折れると、急な坂の上に赤い鳥居が見えた。
鳥居の横は平らに開けていて、昔の小学校の運動場だったようだ。
鳥居には太いしめ縄の上に俵がドンと3段に積み重なった立派な飾りが付いていた。
しめ縄の下には白いロープで網目に編まれた簾(すだれ)がかかる。
石楠花(しゃくなげ)のピンクの花が出迎えてくれた。
参道の奥には欅(けやき)だろうか、社(やしろ)を覆うほどの30メートルはありそうな巨木がこんもりと茂っている。
参道を奥へ進むと、正面右側が弘誓閣、左手が高倉神社の本殿だった。
弘誓閣は先ほどの巨木と大銀杏(いちょう)に守られるように建つ白い建物だった。
入り口は閉まっていて、中をのぞくと正面に賽銭箱とロウソク立て、和太鼓もある。
ご本尊は奥の院にいらっしゃるようだ。
北浮田高倉神社の創建は1689年(天和2年)で、当初は北浮田観音堂と呼ばれていた。
明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が廃され、高倉神社と改称。
昭和40年代になって観音堂が再建され「弘誓閣」と名付けられ、久渡寺から譲り受けた製観音木像が本尊となっているそうだ。
ここの大銀杏は昔、根元から湧き水が出て眼病や万病に効くといわれ、各地から霊水の恩恵を得に訪れたという。
大銀杏の手前には苔むした手水(ちょうず)石がある。
水道の蛇口がついていて、ひしゃくが一つ置かれていた。
今でもご利益があるのかな。
高台の境内からは水がきらめく水田を見下ろせる。
五能線を白とブルーのツートンカラーの列車がカタンカタンと通り過ぎて行く。
遠くには岩木山。なんとものどかな光景だ。
「ところで御朱印はどこでもらえるんだろう」。
辻風さんが鳥居の向かいの民家に聞いてみようとしたけれど留守のようで、どこにも御朱印所と書いていない。
2人でうろうろしながら先ほどの十文字まで下りて見回すと、「あそこじゃない?」辻風さんの指差す先の商店の壁に「納経捺印所」の木の看板があった! 
商店とは別の一室だが無人で、“ご自由にどうぞ”と張り紙はあるけれど黙って入ってもいいのかとちょっと気が引けた。
献金箱の上に女性の遺影(?)のような写真があって、「ちゃんと見ているからね〜」と言われているような緊張感がある。
しっかり御朱印をいただいて、車を止めた境内に戻った。
(恵雲)

北浮田弘誓閣(北浮田高倉神社)
本尊 聖観世音菩薩
御詠歌:かゝる世に祈りてみれば北浮田 神の恵みも深き見なれば
〒038-2701 西津軽郡鯵ヶ沢町北浮田字今須前田17















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