[青森県内観光]

「恵雲と辻風の珍探訪」

 

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その45

二十五番 松倉観音堂B(まつくらかんのんどう/五所川原市)<8日目>

○四度も訪れてしまった松倉の魅力と納経所の不思議

実は松倉神社には4回行ったことになる。
原稿の都合上長くなるのではしょったが、1回目は上のお堂に気付かずに帰ってきた。
2回目は他にお堂があると気づき、再訪。
3回目は写真データを消失してしまって撮り直し。
そして4回目は、あまりの景勝地に感動し、人に教えたくなって家族を連れて行ったのである。
今度は恵雲さんではなく、私の相方がトントンと軽快に登って行く。
男の人は体力が違うな。
私も仕事ではないので、何となく気楽に登れる。
まあ、さすがに4回も上っていればコツをつかむか。
最後の巨岩上のお堂も、なんてことなくクリア。
相変わらずの強風で長居はできなかったが、やはりこの絶景は何度見てもすがすがしい。
 そういえば朱印所の話をしていなかった。
実は松倉には朱印所が2つあったのである。
ガイドブックによく出てくるのは、浪岡町徳才子にある元光寺。
美しく整備された境内で山頂までお参りに行かなくとも、ここで済ませられるようにか、5mはありそうな巨大な十一面観音像が庭にたたずんでいる。
寺院の玄関をあけると、御朱印セットがおいてあったので、お金を払い、いつものセルフサービスで御朱印をいただいてきた。
 3度目の参拝の帰り道、やれやれと山から下りてくると、前田野目の集落で「三十三観音札所」という看板を発見。
普通の民家だ。
訪ねてみると、その家のお嫁さんが対応してくれて、詳しくは分からなかったが、どうも神社側の氏子らしい。
神社の神主さんから次の納経所を引き受けてくれないかと頼まれて、御朱印を受け継いだというのだ。
 どちらが本物なんだろう。
納経所が神社とお寺と両方あれば、巡礼者は迷うのではないかと尋ねると、特に両者の間で“こっちが本物だ”という論争はないようだ。
それぞれが訪れた巡礼者に対応したらいい、各自の営業努力に任せようといった感じだろうか。
心の悩みや迷いのある巡礼者が多いのだろうから、受け入れ先はたくさんあった方がいいな。
2種類の朱印を比べてみるのも面白い。
最後にマメ知識を。
この辺りは“梵珠山”とか、“大釈迦”とか、仏教にちなんだ地名が多い。
梵珠山はもともと山岳仏教の霊山で、“梵珠”のもとは“文殊”菩薩。奈良時代に道昭上人が釈迦如来、文殊・普賢菩薩を奉安したことによる。
また、桓武天皇がこの地に“釈迦”如来を置いたことから“大釈迦”の地名ができたとされる。
いやしかし、最大の難所といわれる松倉に4度も訪れるとは思わなかった。
思いがけない生物や神がかり的な絶景との出会いに満腹満腹の松倉観音、まさに畏るべし神秘の森であった。
合掌。(辻風)


梵珠山 松倉観音堂
本尊 十一面観音菩薩
御詠歌 あなたうと導き給え観世音 誓いをこゝに松倉の宮
〒037-0631五所川原市前田野目字野脇102
元光寺 0172-62-3382











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