[青森県内観光]

「恵雲と辻風の珍探訪」

 
その59

■最終章 巡拝を終えてA

○津軽三十三観音はもしや藩主のまちづくり?

 現代の「聖地巡礼」といえば、アニメやドラマ、映画などの舞台となった場所を訪れることだそうで、ブームのきっかけとなったアニメ「らき☆すた」をはじめ、ジブリ映画、NHKの連続ドラマ小説「あまちゃん」や「マッサン」なんかも含まれるらしい。
観光は地方経済が潤うための起爆剤。江戸時代、津軽の殿様たちが庶民の流行をまちづくりに取り入れたとしても、なんら不思議はない。
なぜなら、江戸幕府を築いた家康とその指南役の天海(100歳以上生きたといわれる僧で幕府のブレーン)は、これまで貴族のものだった聖地巡礼を、“花見”や“七福神巡り”などとして庶民に推奨したという好例があるからだ。
彼らは風水を用いた都市計画も実践しており、これらを単なる縁起担ぎではなく、富国繁栄のための“装置”として仕掛けた節があるのだ。
津軽の札所も城下周辺から次第に遠隔地へ広がっていくところを見ると、藩主らが遠隔地をも観光名所として発展させ、経済効果を生むという目論見があったのではないか、と私は考えるのである。
 最初は気軽なカジュアル参拝だったが、青森にはこんなにも風光明媚な場所があると改めて気づかされた。
端正な仏様の顔を拝んだり、札所の強烈な霊気にたじろいだりしながらも、今思うことは「幸せは自分の内にある」ということ。
なんだかチルチルミチルの「青い鳥」のようだが、お陰様で「幸も不幸も、自分次第だ」と考えるようになった。不幸だと感じるならば、それは修業が足りず、己が未熟なせいなのだ。

 長々と続いた行脚録も、これで終わりです。
同行いただいた恵雲さんに感謝するとともに、皆様におかれましては、長文・駄文を読んでいただき、誠にありがとうございました。
さぁ皆々様、この殺伐とした世の中で、心身ともに健康で生きるために、津軽三十三カ所を巡って、内なる自分と対話するのも、よろしいではありませんか。
いざや、いざや、見に行かん。(辻風)






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