[青森県内観光]

 

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津軽の一代様めぐり24

■未・申年の一代様「大円寺(だいえんじ)」(大鰐町) 守り本尊「大日如来(だいにちにょらい)」

〇その3 紆余曲折の歴史・本尊は“寺伝・大日如来”

 寺や神社はその歴史の中で盛衰、変遷することがある。
ここ大円寺も例にもれず、引っ越しや合併、改称を繰り返す。
起源は、奈良時代の聖武天皇(しょうむてんのう)の時代に、大日様を阿闍羅山(あじゃらやま)の大安国寺(だいあんこくじ)に安置したのが始まり。
その後この寺は荒廃し、鎌倉時代の建久2年(1191)、阿闍羅山千坊(あじゃらやませんぼう)と称された「高伯寺(こうはくじ)」(円智上人建立)に移る。
江戸時代は、津軽家代々の崇敬を受け、紆余曲折を経て、明治4年の神仏分離で、弘前にあった大円寺(現在の最勝院)が高伯寺の場所に移ってきた。
これが今の大円寺となる。
 大円寺の紹介で難しいのが、本尊の呼び方である。
本尊は通称「大鰐の大日様」と呼ばれているが、実際に本堂にあるのは「大日如来」ではなく、2mを超す「阿弥陀如来(あみだにょらい)」の座像(国指定重要文化財)。
一説には、この仏像の胎内仏が大日如来だったとか、地方によっては定印(じょういん)(阿弥陀如来の手の形)を結ぶ仏を“大日”と呼ぶことがあるという話はある(参考「青森県の民間信仰」小舘衷三著)。
また、この像は平安末期〜鎌倉初めの頃の藤原様式のもので、この頃のものは大日如来と阿弥陀如来の顔の形や仏像の造りが似ているそうだ。
大円寺では「寺伝・大日如来」としている。
 大日如来は密教の根本仏で、他の全ての如来、菩薩、明王などを総括する仏様。
宇宙そのものとされ、一切のものは大日如来から生まれるため、凡人でも即身成仏ができるという密教の教えだ。
 津軽一代様信仰はどんな人にも一生一代の守り本尊があるという信仰。
津軽の人々は初詣出、出産、宮参り、七五三、厄年など人生の節目のたびにお参りに出かける。
自らの一代様はもちろん、家族の無病息災までお願いしていくのだ。
似たようなものに「シチカムラ」という行事があるが、春になると農繁期の前に村のおばあさんたちが、集落にある7か所の寺社をお参りするそうだ。
 大円寺で祈祷し、締めくくりとして大鰐の温泉へ入るのが、この一代様の昔からのお参りコース。
かつては何人か連れ立って、それぞれ汽車に乗って集まってきたものだが、現在は貸切バスで巡回して、大鰐以外の温泉へも入って、昼食後、カラオケをしたりして、ゆっくり過ごすそうだ。
 津軽の女性は、信心深い。
一方で女たちだけの楽しみを、その“ご利益”として見つけたのかもしれない。
(大円寺の項おわり)








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