[連載]

   その121〜122


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その121

「雀こ」その4

『津軽むがしコ(4)』

 大正十二年に書いた「僕の幼時という津島修治」の綴り方に〈叔母はよく夏の夜など蚊帳の中で添へ寝しながら昔話を知らせたものだ。僕はおとなしく叔母の 出ない乳首をくはいながら聞いて居た。(中略)どんなに泣いて居る時でも、昔話を知らせて呉れればすぐににこにこするのであった。〉と書いています。
 今は、テレボ、ラジオ、新聞雑誌などマスコミやゲームの影響によって生活様式が大きく変化し、むがしコをかたる人も、それを聞こうとする子供たちも少なくなっています。



その122

「雀こ」その5

『津軽むがしコ(5)』

 私も小さいころ、親戚の婆さまにせがんで、むがしコ聞いたもんです。
 あまりしつこくかがると、「饅頭ア十二」あったど。
「むつ(六つ)」とくったけァなぐなったど、とっちばれ」。
 決め手は「むがしァ、むっつけで、はなしァ、はんつけだずオン。とっちばれ」と、はぐらかされます。
 したばって、同じむがしコでも、あぎねで、むったど聞いたもんだなあ。
 これで、とっちばれ。
 へば、まだな…。



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