[連載] | |
171 〜 180 ( 鳴海 助一 ) |
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◆その171 「おやぐ」(1) 名詞。おやぐ、親類、親戚。おやぐまきともいう。また、単に親しい間柄の意味にも。 ※アコド、オラェド、ルガシネおやぐデタジバテ、ドジモ、ダェガワリシタドゴデ、エマダバ、おやぐァトグナテシマエシタネ。 ○あそこのうちと、おらとことは、昔は、親戚の間柄であったそうだけれども、どちらも代変り(子の代・孫の代というふうに何代も)したにで、今では縁故が 遠くなって(疎遠になって)しまいましたよ。(何かあった場合などでも、交際しなくなったということ。祝言・葬儀その他) ※ムラネ、おやぐァヨゲダドゴデ、ツギアェネカテオタテシマルジャ。 ○村に親戚が多いので交際費で参ってしまうよ。 以上の「ツギアェネカテ、オタテシマル。」というのは、「交際のために、経費がかかって、疲れ切って(オカテ)しまう。」ということ。別にまた、そのことを「ツギアェマゲシ」ともいう。これは「つき合い(交際)負けがする。」ということ。 ◆その172 「おやぐ」(2) ※マサガデバ、エおやぐまぎァ、ナボデモアルハデ、カェナェベォン、アノフトタバ。 ○まさかの場合、立派な親戚がいくらもあるから、大丈夫でしょう、あの人なら。(選挙の場合など) ※カエナェグナタドゴデ、シホウノおやぐまぎタダシテ、マワリミシクネ、アサェテエシタデァ。 ○食われなく(食えなく)なったから、四方の(所々方々の)親戚を探し歩いて、食べさせてもらっていますよ。(これは、冗談に言う場合もある。祝言かなんか、打続いた時など。 ※遠ぐのおやぐより近くの他人。(諺) どんなに近い親類の人でも、遠方に離れておれば、普断はもちろん、何か急の事が起きた場合でも、おいそれと、おたがいに助け合うことがむずかしい。やは り向う三軒両隣りの方々は、他人同志であっても、そこは、人情は有難いもので、おたがい、頼りになる、という意味の諺(コトワザ)である。 ※フトジドゴチャ、田ツクテルドゴデ、グットおやぐネナテシマエシタデァ。 ○同じ場所に並んで、水田を耕作している関係で、いつしか親しくなり、すっかり親類づきあいをするようになってしまいました。 これは、例えば、隣り合っている集落の甲と乙とが、集落界の水田を作っている場合、毎日野良で顔を合わせているので、夜宮に招待し合うとか、正月に遊び に往くとか来るとか、親しくしているうちに、ほんとうの親類のようになり、息子の祝言、娘の嫁入りなどにもお互い招待し合う仲となった。ということで、こ れもまた、素朴で美しい話である。 ◆その173
「おやぐ」(3) ▲「おやぐ」が「親戚」の意味に用いられるのは、どういうわけだろう。やはり「親子」が、語源であろうか。参考事項を少々挙げてみる。(大辞典) 1 オヤグ=親類。青森県。津軽地方。秋田県山本郡、河辺郡。 2 オヤク=親類。津軽地方。山形県荘内その他。 3 オヤゴ=親類。津軽地方。荘内。滋賀県蒲生郡。 4 オヤコ=親類。親戚。八丈島・千葉県各地・神奈川県・山梨・愛知・石川・広島・三重・京都等、各府県の一地方。 同上のうち、3「おやご」は筆者はいまだ聞いたことがない。経験者からの教示を乞う。 ◆その174
「おやぐねだんこ」
名詞。おやぐねだんこ。普通の値段より安くした値段のこと。例えば、果物・野菜・家畜など、また古着類・藁工品・人夫賃、あるいは田畑など。一般の商品などにもいう。 ◆その175
津軽のことわざ(その1)
◇大つかみより小つかみ。 ◆その176
津軽のことわざ(その2)
◇男ァ度胸。女ゴァ愛嬌。坊主ァお経。 ◆その177 津軽のことわざ(その3) ◇大きネプタ後から。
◇おまるさくそ。
◇おなごの心と秋の空。
◇おォやつぶえれば、えっこでもげる。 |
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