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葉月 祐 3 |
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[ 詩 ] 2016/12/15 『 冬の抱擁 』 くちびるより 強い痛みの走る頬 姿の無い風が 髪やコートを靡かせて 現在地を主張する 人々は気付かない内に 冬の冷気を纏い あらゆる空間を 冬のにおいで満たしていく 激しい愛にも似た 冬からの抱擁を 絶えず受けている事に あなたは 気づいているだろうか 夏の茹だる暑さよりも 五感を鋭敏にする冷たい熱 何よりも熱い愛に包まれる白い季節 冬の訪れには いつも胸が疼く |
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