[青森県内観光]
 
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遊歩写真旅!あおもり岬めぐり

夏泊半島─その5

〇花の楽園…海浜植物は群落をつくり見応え十分

 さて今回は海側を楽しみましょう。
夏泊半島の浜辺の植物は、花を観賞できるものはあまり多くはありませんが、それでも春から秋まで花を咲かせる植物がいくつかあります。
 主に砂浜に咲きます。
春は菜の花が目立つほか、帰化植物ですが、西洋タンポポの群落もそれはそれで季節を感じさせてくれて見応えがあります。
5月の初旬頃からはコウボウムギが花穂をつけ、砂浜に独特な姿で群生します。
漢字では「弘法麦」と書きます。
カヤツリグサ科の多年草で、葉は幅5〜10mm、長さ20〜30cmと細長く、湾曲して強靭なうえに縁には鋭い鋸歯(きょし)があります。
海浜植物としては珍しく雌雄異株で、地下茎を砂中に伸ばして、所々から茎を地上に出します。
別名「フデグサ(筆草)」とも呼ばれ、茎の一部の繊維を筆に使ったことから、筆と言えば弘法大師(空海)ということで、コウボウムギという名がついたとされています。
砂浜に生育する代表的な海浜植物として、かつては普通に見られたものが、海岸線の改修工事などの影響で生育環境も減少してきています。
専門家ではない筆者ですが、推察するには夏泊半島での生育場所もほんの数カ所しかないではないかと思われ、大切に保全・保護しなければならない植物と言えます。
初秋になれば、センニンソウの花が楽しみです。
これも群落をつくります。
4枚の白い萼片(がくへん)がいくつも重なって咲く様は見応えがあります。
また同じころ砂浜にはハマニガナの花が現れます。コウボウムギの花穂が枯れた頃に黄色い花を咲かせ、こちらは強靭なコウボウムギとは正反対で可憐な黄色の花を砂浜にのぞかせます。



菜の花(アブラナ)


セエイヨウタンポポの群落


コウボウムギ雌株


コウボウムギ雄株


センニンソウ


ハマニガナ


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