[青森県内観光]
 
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遊歩写真旅!あおもり岬めぐり

下北半島─その10

○薬研渓流は春の新緑、秋の紅葉が秀逸!

 むつ市大畑町の大畑漁港に流れ込む大畑川を遡ってみましょう。
町の中心分から10kmほど上流を上っていくと、薬研(やげん)に着き、さらに2kmほど行くと奥薬研に至ります。
 この辺りは渓谷が発達し、自然の純度が高い優れた景観美が川に沿って広がります。
何と言ってもヒバ樹の針葉樹とブナの広葉樹が混在する植生が特徴的で、ここならではの醍醐味を味わえます。
 遊歩道は薬研大橋から奥薬研温泉まで約4kmにわたってついており、起伏がほとんどないことから軽装でも散策できます。
おすすめはやはり早春の新緑と晩秋の紅葉です。
春はキクザキイチゲ、ヒョウノセンカタバミ、オオバキスミレなどの花々を道沿いで楽しむことができます。
秋の紅葉は、カエデ類が多いことから赤が豊富な彩りが見事です。
筆者的には、色彩だけで見れば、ここ薬研が青森県内ではもっとも多彩で美しいように思えます。
秋のもう一つの楽しみは鮭(サケ)の遡上です。
鮭の遡上する川は県内でも何か所かありますが、その姿を肉眼で確認できる川はなかなかありません。
ここ大畑川の薬研渓谷では、10月下旬頃からその様子を見ることができます。
薬研大橋の橋上から観察できますが、川面まではかなりの高さがあるので、カメラの望遠機能をお使いなることをおすすめします。
紅葉に彩られた渓谷の清流で、オスとメスが織りなす産卵の様子は感動を覚えずにはいられません。
 ヒバのことで言えば、奥薬研には「大畑ヒバ施業実験林」があります。
ヒバは青森県の木に指定されていますが、なかなか間近で見る機会はありません。
そのヒバがこの実験林にはまさに集約されて植栽されています。
見本林では北は北海道から南は九州までの全国29の産地のヒバの仲間も植えられています。
 ここには昭和38年(1963)に廃止となった森林鉄道の線路がまだ残されていて、辿っていくと昭和初期に人の手だけで掘られたトンネルにも入ることができます。
 ちなみに薬研の名の由来は、漢方医が薬草をすりつぶす舟形の薬研(やげん)台に、温泉の湧出(ゆうしゅつ)口の形がよく似ていることからついたと言います。
また、薬研温泉が別名「かっぱの湯」と呼ばれる由来は、恐山を開いた慈覚大師がこの地で怪我をした際に、河童に運ばれて傷を癒したという伝説に基づいているとされています。


遊歩道で見られるヒバの大木


遊歩道で見られるブナの大木


キクザキイチゲ(5月初旬)


ヒョウノセンカタバミ(5月初旬)


オオバキスミレ(5月初旬)


カエデ類の赤が美しい渓流の紅葉風景


薬研大橋から見た鮭の遡上


大畑ヒバ施業実験林とかつての森林鉄道のレール


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