[青森県内観光]

「恵雲と辻風の珍探訪」

 

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その22

■二十三番 安養山夢宅寺(あんようざんむたくじ/青森市)<1日目>  

○巡礼の疲れを癒す温泉街にある、歴史ある寺

 国道4号線を青森市街地から浅虫方面へ向かい、温泉街へ入る道を右折してガード下をくぐると、右手に夢宅寺が見えてくる。
浅虫は東北有数の温泉地なので、昔から三十三観音の巡礼者も労を癒してきた土地だ。
夢宅寺は平安時代初期に恐山を巡拝見してきた慈覚大師が辻堂を建て、そこに薬師如来と地蔵菩薩の像を作って安置したのが始まりとされる。
本尊は薬師如来で薬師堂と言われ、後に夢宅庵となる。
1684年、重い眼病を患った津軽4代藩主信政がこの薬師如来に祈願したところ完治。
以来津軽藩の祈願所となり信政直筆の「夢宅」の額が奉納されたという。
大正初期に現在地に移転して夢宅寺となる。
 さて、この日は昼からものすごいどしゃぶりで、ここに向かおうかどうかかなり迷った。
しかし、なんとかなると浅虫を目指し、この寺に着いた頃には、つかの間の晴天。心がけがよかったかな。
山門をくぐると中央には本堂、左手には仏舎利や地蔵尊が並び、右手が庫裡らしい。
今日はお通夜があるらしく、表には看板が掲げられ、本堂内には花輪が所狭しと飾られていた。
声をかけたが、お寺の方々も忙しそうなので、お参りして、自分たちで朱印を押すことにした。
 本堂の中央は大きな赤い厨子があり、扉は閉じられている。
左側は位牌堂につながっているようだ。
右手に三十三観音の札の束が吊るされており、中央の大きな観音像を囲むように、手のひらサイズの小さな観音様たちが取り巻いている。
小さい像は西国三十三観音らしい。
中央の大きなのが本尊の正観音かと思いきや、あれ、これは千手観音? 
本尊はやはり赤い厨子の中だろうか。
しかしどうもこの寺の本尊が一定していない。
「安政納経帳」では「慈覚大師作の如意輪観音」が本尊と記され、「日本歴史地名大系」では本尊を薬師如来と地蔵菩薩とし、手元のガイドブックには本尊は正観音だと書かれている。
頭の中が?だらけになっているところに、またもや発見! 
仏像の前に飾られた鏡。ますますなぞなぞなのである。
 忙しそうなお寺の方に伺うのも気が引けたので、恵雲さんと「きっと後で調べたら分かるよ」などとつぶやきつつこの寺をあとにした。
が、今持ってよくわかっていない。ああ、あの時尋ねればよかったな。  
                                    
                                    (辻風)


安養山夢宅寺(曹洞宗)
本尊 聖観世音菩薩
御詠歌:月も日も浪間に浮かぶ裸島 船に寶を積む心せよ
〒039-3501 青森市浅虫山下208













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