[青森県内観光]

「恵雲と辻風の珍探訪」

 

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その24

■十九番 義経寺A(ぎけいじ/外ヶ浜町・旧三厩村)<5日目>

○高台から海峡見守る源氏ゆかりの“笹竜胆”
 
 厩石の奥から参道の白い手すりが、およそ60メートルある高台の上までジグザグに伸びている。
この階段を登るのかぁ。きつそうだ……。
登り口の横には地蔵堂がある。
大きめの小屋の中にお揃いの赤い着物を着たお地蔵様が10体、参拝を応援してくれているようだ。
辻風さんは「ゆっくり登ってきて」といって、段数を数えながら颯爽と登っていく。
「ここで100段目。眺めがいいよ!」と上から呼ぶ声に励まされ、運動不足を反省する私。
最初は幅の広かった階段は、折り返すたびに狭くなってきた。
 ようやく、登りきったところに仁王門。その奥に観音堂が見えた。
176段まで数え終えた辻風さんが「御朱印帳を車に忘れてきた〜」って! 
それはないよ……。
取りに行くのは、お参りしてからにしよう。
 肌がつやつやとした仁王様が並ぶ門をくぐると正面に観音堂、右手の弁財天堂の向こうには津軽海峡が見下ろせる。
観音堂には奥の院があって、本尊である聖観音の秘仏・円空仏(県重宝)がいるのかも。
残念ながら義経伝説の白銀観音は見つからないのだそうだ。
観音堂に入って参拝する。
戸には花が3つに笹の葉の模様があって、これが源氏の家紋といわれている笹竜胆(ささりんどう)だと後から知った。
お堂の中には北前船や馬の奉納額が数多く掛かっていて、天井はボタンの花が鮮やかに描かれている。
中央の須弥壇(しゅみだん)には笹竜胆の飾りの奥に金色に輝く観音様が立っている。
こちらは本尊の前に置かれる前立(まえだて)観音様。
左側には笹竜胆の飾りが付いた「源義経の兜(かぶと)」も置かれている。
やたらに笹竜胆の紋様が目に付く。
 観音堂より一段高いところに義経寺の本堂と庫裏(くり)があり、こちらで御朱印をいただけるようだ。
あれ? 本堂と墓地の間には道路がある。
ということは、車で回ってこれるかも。
もう一度階段を登らなくてもいい!
御朱印帳を取りにいったん麓(ふもと)まで下り、車で移動。
本州最北端の駅・三厩駅側から高台の上を通る県道281号・あじさいロードを行くと、大正解! 
義経寺の本堂横に着き、無事に庫裏で御朱印をいただいた。
墓地からも眼下に津軽海峡が広がっている。
晴れたら北海道も望む絶景が見られそうだ。
こんなところならお墓参りも気持ちいいだろなあ、なんて話しながら、義経寺を後にした。

             (恵雲)
龍馬山義経寺(りゅうばさんぎけいじ/浄土宗)
本尊 聖観世音菩薩
御詠歌:陸奥のいわれをこゝに来て三馬屋 浪打際に駒ぞ勇める
〒030-1732  東津軽郡外ヶ浜町三厩家ノ上76













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