[青森県内観光]

「恵雲と辻風の珍探訪」

 

前へ           次へ
その47

十三番 川倉芦野堂@(かわくらあしのどう/五所川原市・旧金木町)<9日目>

○鳥居から見下ろす鬼コたちがお出迎え

金木の桜の名所・芦野公園から、国道339号を北上する。
芦野湖を過ぎ、白川商店の交差点を左折して道なりに進むと赤い鳥居が見えた。
『村社 三柱神社』の石柱が立っている。
さっそく鳥居をくぐると、「あれ?」、「鬼がいるよ」と辻風さんも見上げた。
二の鳥居には腕っ節の強そうな黒髪の鬼、三の鳥居には角二本の赤鬼がにやりと笑って見下ろしていたのだ。
鳥居に鬼を掲げる神社は津軽地方一円に30余りあるそうだが、2体あるのは珍しいようだ。
杉林の参道を進むと、右手に小さな山門がある。
牛を追う人とお寺が彫られた板が飾られている。
その奥に観音堂があり、神社とは独立しているように感じた。
観音堂の横には小さな社がいくつも並んでいる。
お地蔵様かと思ったら、大きな石。
辻風さんがのぞき込んでいる。
「石神様なのかな。豆絞りかぶって、前掛けしてるよ」と興味津々だ。
観音堂に入ると、集会所にも使われているのか、右側に洗面台と食器棚、それに石油ストーブまであった。
入り口に『見知らぬ人が寝泊りし火事などの危険があるので11〜3月まで鍵をかけます……』と張り紙がしてあったが、以前に野宿をしようとした人がいたのだろうか。
堂内には金縁朱色が新しい前机があり、その奥に観世音菩薩と阿弥陀如来、薬師如来の3体が納められた厨子があった。
ここは3代藩主津軽信義が、津軽統一の戦いで倒れた戦死者と新田開発で亡くなった農民を供養するために選んだ霊場の一つ。
明治の神仏分離令の際、村人が仏像を隠したところ、行方不明となってしまった。
昭和になり、地元金木の大地主、高橋家と津島家が観音堂再建に乗り出し、神社の地名と芦野湖から、川倉芦野堂となった。
新たな本尊は津島イツさんが寄進した。
この方は、作家の太宰治(本名・津島修治)の祖母に当たるようだ。
(恵雲)

川倉芦野堂(三柱神社)
本尊 聖観世音菩薩
御詠歌:みなかみは何處なるらん川倉の 耳にこと問う山彦の聲
〒037-0201 五所川原市金木町川倉字林下91












前へ           次へ
 歩っきゃ!“津軽三十三観音”TOP

トップページへ