[青森県内観光]

 

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津軽の一代様めぐり4

子年の一代様「多賀(たが)神社」(弘前市)  守り本尊「千手観音菩薩」

〇その3 人々の苦悩を千本の手で救いとる観音様のご利益

 本尊である千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)は、別名「千手千眼観音」(せんじゅせんげんかんのん)と言われ、千本の手のそれぞれの掌(たなごころ)に一眼をもつとされる。
 数限りない人々の苦悩を観音の大慈悲ですべて救いとり、願い事を叶えるために、千本の手があるのだそうだ。
 清水の舞台を模した本殿の背後には、覆いかぶさるような大きな岩塊(がんかい)が重なり合って、その隙間から清水が湧き出ている。
 この水は、昭和63年に県指定の「私たちの名水」にも選ばれている。
“名水”なのに、少し管理が行き届いていないようで、周囲が汚れているのが気がかりだ。
 湧き壺には賽銭も沈んでいて、その上には神棚がしつらえてあり、水の神様である龍神が祀られている。
 苔むした岩盤の上には、一対の馬の石像と石板に彫られた観音様も置かれ、そのさびれた佇まいは、かえってこの場所の民衆信仰の奥深さを感じさせてくれる。(つづく)






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