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その 4 

bellewood
(大館市)



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「 グラスの向こう側 」



あなたの溜息を
消さない程度に

グラスの中で
氷の音が鳴る


カラカラカラカラ
響きわたる
パキパキキシキシ
響きわたる



…それは私が、
空回る音よ。

…それは私の、
心の音よ。



グラスの外側が
結露で濡れて

私の頬は
涙で濡れて


グラスの向こうに
あなたが見えたけれど

今はよく、
見えないの。


グラスが空になる頃には

音も何も しないね




「 on the floor 」



空のグラスと共に
床に座って
寝転んで

感じたのは
グラスの冷たさ
床の冷たさ


部屋の中ときたら
何の音も無いので

氷が鳴る様に
グラスを揺らし
目一杯の結露で
床を濡らす


一瞬の夕日に
全て照らされ
一瞬のプリズムが
視界を灼く


僕はただただ
輝きの終わりまで
熱を感じながら
沈む空 見つめてる




冷たい夕日に灼かれて
冷たい床に抱かれて
冷たい世界の中で



一瞬

触れる事が出来たもの




「 voice 」



甘ったるい月の光
かったるく流れた時間

斬り裂いてしまおう

人の声が減っていく
不安定な時間帯を

乗り越えて渡る橋

曖昧な言葉でも良い
聴かせてくれないか?
君の心 君の声
僕を動かすその力で

多分何だって良い
話し合わないか?
他愛も無い事を

君の口から 聞きたいんだ




「 晴れた日に 」



「晴れた日に」
一転の曇りも無い
そんな気持ちが
君へと向かう

空を切り取って
永久保存
君にプレゼント

また明日生まれ変わろう
たとえ曇ったとしても

一転の曇りも無い
あの空みたいに

君を想って過ごす日々

晴れた日にいつも
思い出すのは 君です




                                          
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